「うちの子、水をあまり飲まないな…」と心配になったことはありませんか?実は、猫はもともとあまり水を飲まない動物ですが、それが原因で、飼い主さんが気づかないうちに脱水症状に陥ってしまうことがあります。脱水は、私たちが思う以上に深刻な問題です。
特に暑い夏だけでなく、一年を通して注意が必要です。エアコンや暖房で乾燥した室内、季節の変わり目、さらには隠れた病気が原因で、猫の体は気づかないうちに水分を失っているかもしれません。放っておくと、命に関わるような重大な病気につながることもあります。大切な愛猫を守るためには、飼い主さんがそのわずかなサインにいち早く気づき、早めに対策をすることが何よりも重要です。
この記事では、猫の脱水症状の初期サインから、ご自宅で簡単にできる水分補給の工夫まで、獣医さんのアドバイスも参考にしながら詳しく解説します。今日からすぐに実践できる、愛猫の健康を守るための方法を一緒に学んでいきましょう。
脱水症状になりやすいのはどんな猫? 飼い主が気をつけるべきポイント

1. 子猫や高齢猫、特に注意が必要な理由
子猫や高齢猫は、猫の中でも特に脱水症状に陥りやすい「ハイリスクグループ」です。子猫は体が小さく、体内の水分をうまく調整する機能がまだ未熟なため、下痢や嘔吐を一度でもしてしまうと、あっという間に脱水が進んでしまいます。遊んでいたかと思ったら急にぐったりしている、元気がない、食欲がないといったサインを見つけたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
一方、高齢猫は腎臓の機能が徐々に低下し、おしっこを濃くする力が弱くなるため、自然と多くの水分が失われやすくなります。また、若い頃に比べて活動量が減ったり、水を飲むこと自体を面倒に感じたりすることも。さらに、関節炎などの痛みがあると、水を飲むためにかがむ動作がつらくなり、水を飲む回数が減ってしまうこともあります。これらの猫たちには、日頃からこまめな水分摂取を促す工夫が欠かせません。
2. 慢性的な病気を持つ猫が脱水になりやすいって本当?
はい、本当です。慢性腎臓病や糖尿病、甲状腺機能亢進症など、一部の病気を持つ猫は、健康な猫に比べて脱水リスクが特に高くなります。たとえば、慢性腎臓病の猫は、体の老廃物を排出するために大量の水分が必要になるため、水をたくさん飲む「多飲」と、おしっこがたくさん出る「多尿」の症状が見られることが多いです。しかし、十分な水分摂取が追いつかないと、すぐに脱水状態になってしまいます。
また、糖尿病の猫は、尿に糖分が混ざることで、水分を一緒に排泄してしまうため、脱水が進みやすいです。これらの病気を持つ猫たちは、日頃からかかりつけの獣医さんと密に相談しながら、適切な水分管理を心がけましょう。ウェットフードを積極的に活用したり、飲水量を正確に把握したりすることが大切です。
3. 太り気味の猫や痩せすぎの猫も脱水リスクが高い?
体重管理ができていない猫も、脱水リスクが高まることがあります。太り気味の猫、いわゆる肥満猫は、肝臓に脂肪が蓄積する「肝リピドーシス」という病気を発症しやすく、この病気になると食欲不振から脱水を引き起こすことがあります。
逆に、痩せすぎの猫も注意が必要です。食欲が落ちていたり、何らかの病気が隠れていたりする可能性があり、水分摂取量も不足しがちです。短期間で急激に体重が減った場合は、脱水だけでなく、他の病気のサインかもしれません。日々の体重変化をチェックして、少しでも異変があれば早めに獣医さんに相談するようにしましょう。
4. 夏や冬、季節の変わり目に気をつけること
猫の脱水は、暑い夏だけの問題ではありません。夏は熱中症対策として水分補給を意識しますが、冬も室内は暖房で乾燥し、猫の体が気づかないうちに水分を失っています。特にこたつやストーブで暖をとるのが好きな猫は、低温やけどや脱水に注意が必要です。
また、春や秋の季節の変わり目も要注意です。気温や気圧の変化に体がついていけず、体調を崩しやすい時期です。食欲が落ちたり、下痢をしたりすることで、脱水症状を引き起こすことがあります。一年を通して、こまめな水分補給の工夫と、室内の温度・湿度管理が大切です。
5. ストレスが原因で水を飲まない猫への対処法
猫はとてもデリケートな動物です。引っ越しや来客、家族構成の変化、騒音など、ちょっとした環境の変化でもストレスを感じてしまいます。ストレスは猫の食欲や飲水行動に影響を与えることがあり、それが脱水の原因となることも。
水を飲まなくなった猫がいたら、まずはストレスの原因を取り除いてあげましょう。静かで落ち着ける場所に水飲み場を移動したり、給水器の数を増やしたりするのも有効です。また、ストレス軽減に役立つフェロモン製品などを試してみるのも良いでしょう。猫が安心してリラックスできる環境を整えてあげることが、水分補給の第一歩になります。
自宅でできる! 猫が喜ぶ水分補給の簡単な工夫

6. 意外なものでOK! 食事から水分を補給する方法
猫に水をたくさん飲んでもらうには、食事から水分を摂取させるのが手軽で効果的な方法です。ウェットフードはドライフードに比べて水分量が約10倍も多いため、普段の食事にウェットフードを一部取り入れてみましょう。ウェットフードの風味や食感が食欲をそそり、自然と水分補給ができます。
ドライフード派の猫には、ドライフードをぬるま湯でふやかして与えるのもおすすめです。さらに、味付けをしていない鶏肉のゆで汁や鰹節でとった出汁を少量加えてあげると、香りが立って食いつきが良くなります。ただし、人間の食べ物のように塩分や調味料が入ったものはNGです。必ず猫専用のものか、無添加のものを選んであげましょう。
7. 飲み水の「質」を変えるだけで飲水量アップ?
実は、猫は飲み水の「質」にもこだわりがあります。猫が好むのは、新鮮でカルキ臭のない、軟水です。水道水をそのまま飲ませている場合、カルキ臭を嫌がって飲まないことも。そんなときは、一度沸騰させて冷ました水や、浄水器を通した水に替えてみましょう。
また、ミネラルウォーターを与える際は、必ず硬度の低い「軟水」を選んでください。硬水はマグネシウムなどのミネラル分が多いため、猫の体に負担をかける可能性があり、尿路結石の原因になることもあります。
8. 複数の給水ポイントを設置するメリット
「水飲み場は一箇所あればいい」と思っていませんか?実は、猫がよく通る場所に複数の給水ポイントを設置することで、飲水量が増えることがわかっています。食事をする場所だけでなく、猫がよく昼寝をする窓際や、お気に入りのキャットタワーの近くなど、生活動線上に水を置いてあげましょう。
また、水を入れる器の素材や形を変えてみるのもおすすめです。プラスチック製、陶器製、ステンレス製など、猫が一番好むものを見つけてあげましょう。
9. 猫が好む飲み水の温度や器の選び方
猫が好む飲み水の温度は、一般的に冷たすぎない「ぬるま湯」と言われています。特に冬場は、少し温めたお湯を与えてあげると、飲んでくれることが増えます。ただし、熱すぎるとやけどの危険があるので注意が必要です。
また、器は猫のヒゲが当たらないように、少し広めのものがおすすめです。ヒゲは猫にとって敏感なセンサーなので、器の縁にヒゲが当たることを嫌がる猫もいます。さらに、首を下げすぎずに飲めるよう、少し高さのある台の上に器を置くのも良いアイデアです。
10. 水分補給を遊びに変えるユニークなアイデア
遊びを通して水分を補給させるのも、ユニークで効果的な方法です。例えば、猫用のおもちゃを水飲み器に浮かべたり、猫用のおやつを水に浸したりして、興味を引いてみましょう。おもちゃで遊ぶうちに自然と水を飲んでくれることがあります。
また、猫は流れる水に興味を示すことが多いので、自動給水器を設置するのも良い方法です。流れる水音や水の動きが、猫の好奇心を刺激し、飲水量を増やすきっかけになります。猫が水を飲む楽しさを感じてくれるような工夫をすることで、自発的な水分補給を促せます。
まとめ: 夏だけじゃない! 猫の脱水症状のサインと自宅でできる水分補給の工夫
「うちの子、水を飲まないから…」と諦めていませんでしたか?今回の記事でご紹介したように、猫の脱水は「夏だけ」の問題ではなく、日々の生活の中に潜む危険です。子猫や高齢猫、持病のある猫はもちろん、健康な猫でもちょっとした変化やストレスで脱水を引き起こすことがあります。
しかし、悲観することはありません。毎日の生活にちょっとした工夫を取り入れるだけで、愛猫の健康を守ることができます。まずは、愛猫がどんなときに、どんな場所で、どんな水を飲むのが好きなのかを観察することから始めてみましょう。
そして、ウェットフードを取り入れたり、複数の給水ポイントを設置したり、遊びを通して水分補給を促したり…。ご紹介したたくさんのアイデアの中から、あなたの猫にぴったりの方法を試してみてください。愛猫の小さな変化に気づき、早めに対応してあげること。それが、何よりも大切な愛情表現です。この記事が、あなたと愛猫の健康な毎日を支えるヒントになれば幸いです。



